Hold
detail: イギリス製 ヴィクトリアンシルバーネックレス

1800年代後半。
1837年、イギリスでヴィクトリアが女王に即位したことがヴィクトリア時代（1837〜1901年）の始まり。
イギリスが過去にないほど繁栄し、女王ヴィクトリアのファッションは様々な流行を生み出しました。

ヴィクトリアン時代に裕福な中産階級が増えたことにより、ジュエリーの需要は一気に高まります。
今もなお、ヴィクトリアン時代のジュエリーを目にすることができるのはこういった理由があるからです。

そして、この時代にはゴールドやダイヤを使ったジュエリーばかりでなく、
素材はゴールドのように高価ではない真鍮、シルバー等を使い、
職人の高度な技術で作られたジュエリーがあります。

こちらはシルバー製ですが、まるでカットスティールのような装飾がされています。

カットスティール
カットスティールとは、その名の通り鉄をカットしたもの。
18世紀中期からイギリスで製作されたのがはじまりで、ダイヤモンドの代用品として生まれた。
職人による手作業で鉄をビーズ大に小さくカットし、研磨して作られていたため、
鉄とは思えないほどにキラキラ輝いている。
19世紀後半には製作がストップしていまい、アンティークの世界では高く評価されているものの一つ。
その価値は、天然石であるガーネットやシードパールを凌ぐほど。
どちらかというと、バイヤーやディーラーといったプロに人気が高いです。

カットスティールのデザインをシルバーで表現したら…？と当時の職人さんが、
挑戦してみたのかもしれません。

カットがとても美しいです。
留め具には花がデザインされており、100以上前のジュエリーにも関わらず、
全てが当時のままのオリジナルです。

シンプルで、一見静かなイメージのネックレスですが、同時に強さも感じるヴィクトリアンジュエリーです。