1880 カットスティール
蜂櫛

detail: カットスティール 蜂櫛

1880年代製。(ヴィクトリアン時代)
1837年、イギリスでヴィクトリアが女王に即位したことがヴィクトリア時代(1837〜1901年)の始まり。
イギリスが過去にないほど繁栄し、女王ヴィクトリアのファッションは様々な流行を生み出しました。

ヴィクトリアン時代に裕福な中産階級が増えたことにより、ジュエリーの需要は一気に高まります。
今もなお、ヴィクトリアン時代のジュエリーを目にすることができるのはこういった理由があるからです。

そして、この時代にはゴールドやダイヤを使ったジュエリーばかりでなく、
素材はゴールドのように高価ではない真鍮、シルバー等を使い、
職人の高度な技術で作られたジュエリーがあります。

こちらの櫛も職人のハンドメイド。
言うまでもなく、作りがとても美しいです。

櫛はブローチに比べて、どうしても形状的に壊れてしまうことが多く、
なかなか見つけることができませんが、今回の買い付けは櫛に縁がありました。
こちらは私がロンドン在住時よりお世話になっている
20年以上のキャリアを持つ、アンティークジュエリー専門のジュエリーディーラーさんから、
リサが好きそうなものがある!と譲って頂いた櫛です。
彼女の知識、センスは私が知るアンティークディーラーの中でもトップクラスです。
私は、彼女の家族にもディナーに連れて行ってもらったり、お世話になっています。

装飾は、私が個人的にも大好きなカットスティールです。
カットスティールとは、その名の通り鉄をカットしたもの。
18世紀中期からイギリスで製作されたのがはじまりで、ダイヤモンドの代用品として生まれた。

職人による手作業で鉄をビーズ大に小さくカットし、研磨して作られていたため、
鉄とは思えないほどにキラキラ輝いている。
19世紀後半には製作がストップしていまい、アンティークの世界では高く評価されているものの一つ。
その価値は、天然石であるガーネットやシードパールを凌ぐほど。
どちらかというと、バイヤーやディーラーといったプロに人気が高い。

魅力は職人による完全なハンドメイドで製作された美しい作りと輝き。
マーカサイトが生まれたことにより、手間のかかるカットスティールは完全に製作がストップしてしまい、
現存するピースがすべて。
大英博物館にも、カットスティールのジュエリーが展示されています。

鉄なのに?というお声を聞くこともありますが、
素材としてではなく、今はもう失われてしまった職人へのリスペクトも込めて、評価されています。

錆も一切なく、粒も小さく、クオリティの高いカットスティールです。
繊細な手仕事で、愛らしい小さな蜂がデザインされています。

ご購入前にこちらをご覧ください。
No H50
Size 2cm(蜂部分)
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