1950 Miriam Haskell
グレープブローチ

detail: Miriam Haskell グレープブローチ

1940年代後半〜50年代初頭
ミリアムハスケルとは、コスチュームジュエリー界で最も有名で重要な人物。
1924年にたった500ドルを片手にニューヨークにでてきて、サロンをオープン。
1926年に自身のブランドを発表するとすぐに大成功を修める。

ハスケルは「本物以上に最高のジュエリー」を作るという信念のもと、
クオリティにはこだわりを持っていました。
ビーズはヴェネチアやボヘミアンから、珊瑚や貝、日本から取り寄せた真珠など、
彼女の真贋美にかなった素材しか作品に決して使うことはなかった。

『ヴォーグ』のトップモデルや、グレタ・ガルボをはじめとするハリウッド女優も
ハスケルのジュエリーのファンであり、夢中なったことで知られています。

私がハスケルのジュエリーに出会ったのは、イギリスのあるアンティークフェアでした。
それまでも何百人ものディーラーに出会ってきたのですが、
彼女のストール(お店)は輝いていました。
ディーラーとしての経験から来る誇りと、
卓越したセンスで選び抜かれた30点ほどのジュエリーが並んでいました。

彼女の専門はデザイナーものを中心としたヴィンテージコスチュームジュエリー。
クオリティも、レア度も一流のジュエリーばかり。
すべて買い占めたい…と思った彼女のジュエリーの中で、
私が運命だと思ったものがミリアムハスケルのジュエリーでした。

女性らしい柔らかなフォルムをしていて、
多くの素材のパーツを使いながらもけばけばしくなることもないジュエリー。
洗練されていて、気品に満ちたジュエリー。
何よりもハスケルのジュエリーには、人を惹き付ける不思議な力があるのです。

今もハスケルの意思を受け継ぎ、ブランドは存続していますが、
当時のデザイン、質には到底及ばないというのが私の個人的な意見です。
ヨーロッパやアメリカ、日本など世界中にコレクターがおり、その価値は毎年上がり続けています。
私自身もデザイナーや時代、ブランドに関係なくジュエリーを集めているコレクターですが、
ハスケルのジュエリーは私にとっても、特別なコレクションとなっています。

残念なことに、近い将来、ハスケルのハイクオリティのジュエリーは
その多くが美術館でしか見ることが出来なくなるのではないかと思っています。
出来る限り、ハスケルを直接お客様にお渡していくつもりです。

こちらのハスケルのブローチは、
ホースシュー(馬の蹄鉄の形)と言われる刻印が入っているシリーズで、
1940年代〜1950年代のはじめにかけて、
短期間のみ使用されており、レア物となっています。

また、この時期のハスケルジュエリーは、
ハスケルを代表する素晴らしいデザイン、クオリティのものばかりです。
こちらは2房のぶどうをモチーフにしたブローチ。

ぶどうは、古代ギリシャ・ローマ時代より富や豊かさの象徴とされており、
伸びていくツタは縁をつなぐとものとされてきました。
クラシカルなモチーフを、
ハスケルの解釈で美しく、モダンに仕上げています。

ホワイトと、淡いグレーの豊かなぶどうの房が大胆で、
また、葉の部分はハスケルが得意とした小さなパールで表現されています。

ボリュームがあるブローチながら、全体のバランス感覚が絶妙で、
ハスケルジュエリー特有のオーラがあります。

全盛期のハスケルジュエリーの真骨頂とも言える、素晴らしいジュエリーです。

ご購入前にこちらをご覧ください。
No B165
Size 5×6.5cm
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