detail: カットスティールドングリピアス
1880年代
カットスティールとは、その名の通りスティール=鉄をカットしたもの。
18世紀中期からイギリスで製作されたのがはじまりで、ダイヤモンドの代用品として生まれました。
職人による手作業で鉄をビーズ大に小さくカットし、研磨して作られていたため、
鉄とは思えないほどにキラキラ輝いています。
鉄なのに、なぜパールと価格が変わらない?と思われる方もいらっしゃると思いますが、
あまりに手間がかかりすぎるため、高い職人の技術を必要としたため、
100年以上前に、制作がストップしており、
また、その独特の美しさに、ヨーロッパアンティークジュエリーを象徴する一つとして、
アンティークの世界では高く高く評価されているものの一つ。
その価値は、天然石であるガーネットやシードパールと並びます。
私も、バイヤーとして、個人的にとても好きなアンティークジュエリーの一つです。
職人の手仕事の結晶とも言えるジュエリーで、100年以上を経ても、美しさが変わりません。
どんぐりは、古くはローマ時代にまで遡れるモチーフの一つ。
豊かさ、永遠、繁栄を意味するモチーフとして好まれてきました。
どんぐりの実を一粒持っていると病魔から身を守り、長生きをする言い伝えもあり、
お守りとしての役割もありました。
英語には、『Every oak must be an Acorn.(樫の大樹も元々はみなどんぐり)』ということわざがあります。一粒の小さなどんぐりから樫の大木になることから、
成功の象徴でもあったのです。
現代でいう風水やラッキーシンボルを大切にしていたヴィクトリアン時代には、ぶどう、パンジー、蹄鉄…と並び、どんぐりも人気のあったモチーフの一つです。
上には写実的で細工の細いかいドングリ、下にはカットスティールのドングリがドロップしていて、
ダブルでドングリというなんとも愛らしいピアスです。
ご購入前に
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